なれそめは2005/6下旬


鍵尾の黒猫が、近くの駐車場でにゃあにゃあと話しかけながら近づいてきた。"なんか食べ物くれよぅ〜"
後方に、尾長の黒とその後ろにキジ猫が控えている。とにかく、鍵尾が喋る喋る。他2はだんまりちんまり。
黒×2は明らかに兄弟と思われた。鍵尾が尾長より一回り大きかったけど、大差はない。
家には甘いヨーグルトしかなかったので、とりあえずあげてみる。
ちょっと舐めてから、キッと顔を上げ、"むにゃぐにゃうにゃぐにゃにゃっ!"とものすごい文句を言われる。
"ちがうって、もっと旨いもんくれよ!"とさ。酸っぱかったのね。
近くのコンビニでギョニソを買ってきて、鍵尾に「おいで!」と声を掛け、家の敷地内まで誘導してみた。
いや〜驚いたことに、ちゃんと付いてきたね。道路を渡ってこなければならず、車が来るのが見えたので、手のひらを向けて「待って」と言うと、ちゃんと立ち止まる。

さすがにあまり近くまでは来ないので、チクワ、アラスカなんぞを抛っていた。
鍵尾のクロベエが1m〜チビがその後ろに控え、キジは遠慮がちに5mほど離れたところで、置物状態。

近所の暇な園芸ババァのお門違いな横槍が入るも、毎夕晩食べに来た。クロベエの食欲は、すごかった。(この後約1週間でクロベエが急激にデブった・・・おかげで初めての血液検査でちょいとひどい目に合うことになる)
そのうちクロベエだけ慣れて触らせてくれるように。チビがかなりのビビリで、近づくまでには相当かかった。そして、夕闇の中、猫じゃらしで遊び相手をし始める。

2005/7/2以降


かなり気を許してきたようで、スリスリし始めた。クロベエだけが撫でさせてくれていたが、そのうちにチビもだんだん近寄ってくるように。

写真を初めて撮ったのは、昼間のアスファルト上だったが、フラッシュが光ってしまった。でも両方とも気にしてない様子。眩しそうだが、逃げはしない。

飯使いや遊び担当が仕事から帰ってくると、クロベエは、家脇の草むらの向こうから一直線、犬のように走ってくる。家の角から顔だけ出して、待っていることもある。“おいで”というと家の中にいそいそと入ってきた。かわいぃ〜

ようやく、家の中でご飯上げられるようになると、まずクロベエの顔を覗き込み、目を見ながら名前を刷り込む。
お前はクロベエだよ、クロベエ、クロベエと連呼した。大きな黄色いまん丸目で、不思議そうにこちらの顔を見つめている。
その後Jリーグの試合放送中、テレビを背に遊んでいたクロベエ、アナウンサーが"黒部!"(選手の名前)と叫んだとたん、びっくりして振り返った。おまえを呼んだんじゃないんだよ〜

家の中での食後、何故かチビが、猫よけペットボトルを並べておいてある園芸ババァの庭へ"ぐにゃ〜ぐにゃ〜"と叫びながら一直線。クロベエはぼ〜っと傍観していたので、他の猫とかを警戒している訳でもなさそう。
トイレか?しかし、そんなに騒ぎながら・・・・しかもよりによって一番まずい所へ・・・・

はじめ食器は、コンビニの黒いプラ製弁当容器、その後、ステンのすてきな皿が(飯使いにより)用意され、食べ物からおやつから、徐々にランクアップ。
いまでは、ステンの食器が触れ合う音で、どこからともなく、しかし素早く足元にやってくるように。
本当に猫は食べ方がヘタクソ。撒き散らして食べ、かすがそこらじゅう散らばっているのに、的外れなところを探している。指差し確認ですぐに気づくのはクロベエ。チビは指の先を噛む。俊敏なのに、物を落としたり、距離感が分からないのがチビ。クロベエは(太ってるからか)動きはおっとりなのだが、物の位置を認識する感覚は優れている。

クロベエ兄貴、しきりにチビの毛づくろいをするが、嫌がられる。面倒見良く、一人で家に入ってきても、"チビはどこ?"と聞くと、外から呼んで(連れて)くる。
反対にチビは自分がリラックスしていれば知らん顔。
兄貴と弟の役割分担。
しばらく離れた後に再会すると、ハナ突きあわせて猫同士の挨拶をしている。
チビは人間(飯使い)にもしてくれるが、クロベエは初めの頃だけで、最近は全然しらんぷり。

まだお礼のブツはなにももってきてくれません。

はじめてのトイレもすんなり。フードカバー付きの大きめなトイレを購入、フードを外して砂入れてから、クロベエを抱き上げてその上に乗せてやっただけ。前足でザッザザッザと砂を確認、おもむろに座りこんで用を足す。
その後、場所移動させないでフードカバーを付けたが、抵抗無く入って用を足していた。
乾いた砂が好きなせいか、その後は雨の日の度に両方ともこの一つのトイレを仲良く使ってくれているが、カバーの穴から出入りするお互いのお尻や尻尾に反応して、一方が出口付近で待ち伏せしている。
そしてトイレから出たところでじゃれ合って、足についた砂を撒き散らしている。(泣)

チビがよくスフィンクス状態になるようになった。玄関にいたが、最近はテーブル下で。チビ、撫でられるのだ〜いすきで、撫で回していると、ごろんとダンゴムシ状態に。お礼(?)にペロペロ(犬?)。
そしてもっと気持ちよくなると、前の手をわきわきし始める。
クロベエはある程度まで撫でさせると、ゴロンと横になってから、足チョッと出したりカプッとしようとして、“止めてくれ”と言う。気分によってはチビのように手を舐め舐めしてくれる。

面白いことに、チビの舌触りと、クロベエのは全く違う。チビの方がザリザリ感が少なくて、滑らかっぽい。一方クロベエは、粗ヤスリのようにザリザリしている。チビの方が毛づくろい熱心だから、磨り減った?(ありえな〜い)

2005/7/17


6時間前絶食条件での血液検査と、ワクチン接種のために、初めて病院に連れて行くことになり、半日閉じ込める。外だせ〜だせ〜の大合唱。飯使いも遊び担当も、ほぼ徹夜。
開いている窓の網戸やカーテン(レース)にツメかけてよじ登ったり、狭い窓のさんからボテッと落ちたり、とにかく外気の流れから脱出口を探していた。
飯使いも遊び担当も寝不足で疲れ果てた。

病院では、脂肪に埋もれて血管がみつからないクロベエ、両腕から採血されるはめになった。
二度目の針刺しに"アッ!"と情けない声を発するが、怖くて固まっていたせいで、わりと無抵抗。担当スタッフも「おっとりしてますねぇ〜クロベエちゃんは」
クロベエの処置後、チビの番。「うっ・・・なんか目つきが違いますねぇ・・・」半眼で睨みつけるチビ。処置中、クロベエを探して無理な体勢してたので、ケージ入りクロベエの顔をチビの顔に向けてやった。ケージに戻す直前、案の定脱出を試みるも、先生に捕まえられて終わり。

帰ってきてケージから出してやったら、意外なことにすぐに2階へ。しばらくほっておいたが、音沙汰無し。見に行ってみると、よくぞ見つけたもんだ、使わない布団と冬服入れたソフトケースが置いてある半間の押入れ(ドア開けっ放し)の奥に両方ともすごい目つきで収まっていた。緊張とワクチンのせいで、体がだるかったらしい、そのままぐっすり。

3時間後、遊び担当がその部屋で前夜に落とされた簾を付け直していると、うしろから"アン?"(何してるの〜?)とクロベエに声をかけられる。どうやら悪い夢を見ていたと思っている様子。(夢オチ?)

台所にきたので、あっためたミルク少しだけあげた。なんだか映画の悪霊のような響く低〜い声が聞こえてきた。"うごうおぉうわぉおろろろうぉおう〜ぅ"
クロベエらしい・・・なんの音声だか分かんなくて、本当に悪霊かと思った。
つまりは、6時間の絶食後初めての美味しいものだったので、「超絶マジうっま〜」という表現だったらしい。

2005/7/21以降


クロベエに首輪(のみとり)を付けてみる。ぜんぜん嫌がらないどころか、全く気にしていない。

チビが、朝方ご飯を食べに来るようになった。出勤前なので、普通に食べさせてから外で乾し魚のおやつをあげて“じゃあね”と歩いていこうとしたら、びっくりして魚をぽとりと落とし、悲しそうな目で見つめていたそうだ。(それまで、我々が家から去っていく姿を見たことがなかったらしい。)

チビは最初、『場の空気が読めない男』と評されていたが、いまでもそうである。
クロベエが鍵尾尻を"プリッ"とさせて、じっくりと狙いを定めている獲物(おもちゃ)に横からすごい勢いで飛びついて、遊びまくる。クロベエはつまんなそうである。チビは一人遊びが得意だが、クロベエはおもちゃを動かしてもらわないとつまらないらしい。だから、バシッて捕まえて銜えても、また遊んでもらうためにすぐ離す。チビはそうじゃない。銜えたままどこかに持っていっちゃって、見つからない。
二猫ともお気に入りのおもちゃが、銀のぴらぴらのついた大型猫じゃらしと鳥の羽。

なんでも食べるなぁ〜、だけどさすがに最近口が肥えてきたか、食欲が止まったか、食べないものも出てきた。クロベエは丸呑み気味で乾魚が苦手。しかし、ごはんとけずり鰹節のオヤツはペロリ。ドライは両方とも結構食べる。チビは基本的に何でも食べる。最近は、チビが食欲魔である。しゅっとした顔だったのに、横幅がでてきちゃった。両方とも大好きなのが、ササミ蒸。

マルハの黒缶を手みやげに、巨大な美人が見に来た。初めて他の人間と家の中で遭遇。クロベエは怖がるというより、扉を閉められてしまった事が不満で、またドア前で出してー出してー"あーおんあーおん"と騒いでいる。黒缶あけてやったら、大騒ぎしていたくせにモリモリ食べて、しばらく沈黙。そして、"ウマイぞ、あぐぅあにゃにゃっ"と一言発し、その後又騒いでいる。
マルハは旨いらしい。

チビ、毛玉吐こうとして、"ケッ、ケッ、ケッ、ケッ"とやってたが、最後に押し戻してごっくんって、お〜い!飲んでどうする・・・ヘタクソめ。

キジが侵入しはじめる。人の顔を見るとバビュッと逃げるくせに、黒×2のために開けておく扉から入ってくる。そしてマタタビをよだれでデレデレにし、勝手にトイレを使っていく。黒×2どもは、警戒するも、クロベエがあまり気にしていない様子。キジもクロベエは気にしないが、チビはキジにいじめられる。相性が悪いのか?

通勤途中、家からかなり離れた場所で、チビそっくりの長尾黒猫が道路の向こうから(ちゃんと歩道側を)歩いてきた。目の色も目つきもそっくり。声をかけると、ちょっと立ち止まってくれたが、またスタスタと歩いていってしまった。しかし、その時間チビはウチで遊び担当と一緒にいたアリバイがあり、どうやら兄弟と遭遇した模様。後で気づいたが、体は一回り小さかった。
そのチビのそっくりさん目撃箇所とウチのちょうど中間点くらいに、2階建てアパートがある。
そこの一室が朝と晩にドアを開けっ放しにして、2匹の黒猫(結構でかい成猫)が出入りしているのを数回目撃しているが、その一匹がクロベエそっくり。猫用ハーネスをしている上、ちょっと体がでかいので違うと分かるが、毛色(黒に濃いこげ赤茶)といい、鍵尾といい、絶対やつらの血縁間違いない。(もしかすると、親?)

2005/7/29


漸く両方ともが、ウチの中で普通に1時間ほど爆睡してくれた。(そして、最後は黒猫だんごに)二人とも本当に仲良し兄弟、取っ組み合って、黒団子爆弾になって遊んでいるときもある・・・

くしゃみ、セキ、電話、シャワーや水道といった生活音にもだいぶ慣れてきた。
それなのにやっぱり、ドアを閉めると"アッア〜ン"ドアを開けてと甘えた声を出す。(まぁ、今は外がとても気持ちいい季節だからね〜)とてもしつこく懇願する。最後は怒って叫び続ける。
ドアを開けたまま家でくつろいでいても、遊び担当のオナラにはびっくりして、パピュッと逃げる。

自由な半ノラ生活もあと少し。もうすぐX-dayなのだ。
外の広い世界を知っている者を閉じ込めてしまうのは、身につまされて胸が痛む。
でも、ここは北国。もうじき屋外暮らしには厳しい季節がやってくるから。



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